株式会社丸信

三方よし通信

三方よし通信

【社長コラム】目標設定

先日、京セラの創業者である稲盛和夫氏がお亡くなりになられました。27歳で京セラを創業し、急成長させただけでなく、50代では現在のKDDIを創業、晩年は会社更生法を申請したJALを再上場に導かれました。

一方でボランティアで中小企業経営者に経営を指導する盛和塾を運営し、国内外で1万人以上の経営者に影響を与えてこられました。

実は私も10年くらい在籍させて頂いておりました。とは言いましても福岡での例会にはほとんど参加せず、ひたすら講話CDを聴いていた程度です。稲盛塾長は講演の中で常々、営業利益率10%以上の経営を目指せと仰っておられました。経営者ができないと思っているからできないのだと。あまりにも高いハードルです。

経済産業省の商工業実態調査によると製造業の全国平均では4%となっています。卸売業、小売業ではこれを下回ります。盛和塾に在塾中は弊社の業態(卸+製造)では10%は絶対無理だと思っていましたし、今でも10%は現実的ではないだろうと思っています。

しかし先日、とある大企業の方のセミナーを受講しました。この企業は日本屈指の高収益で知られる製造業で、その売上高営業利益率は50%以上です。その企業では高収益を目的というか、文化としており、事業別の営業利益率が40%を切ったら、その事業は撤退や売却を検討されるそうです。驚きました。稲盛塾長は塾生に経営の心得を説いた経営12か条を残しておられますが、その第2条は「具体的な目標を立てる」であり、その目標達成の為に第7条で「経営は強い意志で決まる」と仰っています。以下はそのご主旨です。抜粋引用させて頂きます。

『経営とは、経営者の「意志」が現れたものだと考えます。こうありたいと思ったら、何が何でも、その目標を実現しようとする、強烈な意志が必要です。そのとき大切なことは、従業員の共感を得ることです。もともと、経営目標は経営者の意志から生まれるものですが、同時にその目標が、従業員全員が「やろう」と思うようなものにする。いわば、経営目標という経営者の意志を、全従業員の意志に変えることが必要です。』

お客様のお役に立っていけば自ずと利益は後から付いてくると信じて経営して参りましたが、どこか自分に甘さがあったのではないかと、改めて反省させて頂きました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます 。