株式会社丸信

三方よし通信

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【電気代値上げ】食品事業者がすぐに取り組むべき省電力対策とは

さまざまなモノやサービスの値上げが続いていますが、中でも食品業界に大きな打撃を与えている一つが電気料金です。この記事では、電気料金が高騰している原因や、省電力対策、さらには補助金の活用について紹介します。

■火力燃料高騰と原発の停止などが原因

電気料金の値上げ要因の1つは、石炭や液化天然ガスなどの輸入価格高騰によるもの。2022年4月に資源エネルギー庁が公表したデータでは日本の電源構成のうち火力発電の割合は76.3%。火力燃料のほとんどを輸入に頼っていることから、天然ガスや石炭の価格が高騰すると日本では電気料金に大きく影響する構造になっています。新型コロナウィルスの感染拡大によって世界的な経済停滞が起きたことや、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてロシアの輸出入が制限されたこと、また昨今、世界的に脱炭素が推進され、化石燃料の中ではCO2排出量が少ない天然ガスへの切り替えが加速したことも大きく影響しているようです。

これに関連して、新電力各社が電気料金を値上げしました。新電力会社は、独自の料金設定によって電気料金を安くしやすい一方、市場が高騰すると他社よりも値上げ幅が大きくなってしまいます。このほか、CO2削減や燃料の輸入依存解消を目的に作られた「再エネ賦課金」の値上げや国内の電力供給力不足も値上げの要因。国内の電力供給量は2010年と2020年を比較した際に12.9%も減少。2011年の東日本大震災以降、多くの原発で稼働停止が続き、2010年と比較すると86.5%まで減少しました。

■省エネ対策は空調と照明から、補助金も効果的

メーカーや小売店など食品事業者が電気料金を下げるには、まずは設備、空調、照明などから取り掛かるのが良いでしょう。

工 場作業の効率化とのバランスが必要となりますが、空調の効率化は電気代の節約につながります。一つは作業効率を優先して工場の出入り口が開放されたままに なっていたら、ビニールカーテンを付けたり、高い天井や広すぎる作業スペースでは、従業員が働くエリアを絞ってビニールカーテンで囲むなどの工夫で消費電力 を抑えることができます。室外機周辺から障害物を取り除いたり直射日光を避けることでも節電効果が期待できます。設定温度を推奨されている夏場は28 度、冬場は20 度に保つことも大事。体感温度は設定温度を変えるのではなく、従業員の服装で調整するようにすることも必要です。

このほか、定期的なメンテナンスや、扇風機・サーキュレーターを使用し空気を循環させるのも効率的な空調効果を期待できます。工場内の照明機器のLED化も対策の一つ。60Wの白熱灯をLED照明に交換すると85%の削減効果が見込めます。LED照明は寿命が長いため交換の手間も省けるため、長い目で見ると電気代だけでなくメンテナンス費用も節約できます。

電気料金の高騰や脱炭素の流れに伴い、空調や照明をはじめとする製造機器では省エネ対応が加速しています。「省エネルギー・需要構造転換支援事業費 補助金」のように、省エネ設備の導入を促すために国や自治体では省エネや再エネに関連する導入費用を補助する制度も多くあります。こうした補助金を利用することで電気料金値上げに対抗することも可能です。

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